「はり灸燦燦」にかける私の想い②
専門学校在学中に父母が同時期に様々な病気に罹患し、介護が必要となりました。
父は膵臓癌、母は認知症や口顎ジストニアや正常圧水頭症、甲状腺腫瘤による低下症などです。
膵臓癌は癌の中でも特に早期発見が難しいと言われ、発症後の5年生存率は数%と他の癌よりも極めて低く、予後が悪いと言われています。
私の鍼灸の練習台として父の身体を見ていた事から、異変に早く気がつくことができ、手術の選択ができたことは幸いでした。
お医者様からは、気がつかずにいたら半年以内には亡くなっていたと説明がありました。
手術後、浸潤しながらも抗がん剤投与を続け、並行して私が鍼灸治療を行い、4年半ぐらい薬の効力期間が長く続き、お医者様からここまで効いている人は過去の私の担当患者ではいないと言われました。
あきらかではありませんが、少なからず鍼灸の良い影響もあるのでは?とあきらめず鍼灸治療をして良かったと思っています。
しかし、2種類の抗がん剤治療後、タイミングよく保険適用になった新しい薬が出たため挑戦することになりましたが、残念ながら父の身体に合わず、緩和ケアに入る決意をすることになりました。
医師からは、いつ急変してもおかしくない状態なので、余命は年単位ではなく月単位と思って、心づもりしておくよう言われました。
そしてそれから半年経過した先日の検査では、抗がん剤を打っていないにも関わらず、がんは進行していませんでした。
本人の自覚症状も、病院での薬のおかげで痛みもなく、自分ががんじゃないのではないかと勘違いしてしまうほどだと、普通に日常生活を過ごしています。
このままいけば、11月には生存率数%と言われた5年が経過したことになります。
トップページにも書いていますが、こういう経験をしたことで改めて、いかに病気は早期発見が大事かということを痛感しました。
そして私自身も、鍼灸専門学生の3年間、両親の介護、自身の病気発覚、子供の病気と並行しながらの国家試験の挑戦は本当にめげそうな状況でした。
ですが、鍼灸の勉強をしていたおかげで、自分の身体の状態を意識しながら、お灸や漢方などできる事を取り入れて、かつ病院での定期健診を怠らないことで、生活の質を落とさず乗り越えることができたと思います。
以上のように鍼灸をする上での対話の中や身体の反応による気付きから病気の早期発見に繋がったり、大病にならないように備えたり、悩んで立ち止まっている方の背中を押してあげられるそんなきっかけになれればと思います。