鍼灸を続けた先にあった、心が整い妊娠につながった時間
お2人目の不妊治療で、移植に向けて準備をされていた患者さん。
移植の約1か月半前から、鍼灸を欠かさず継続して通われていました。
回数を重ねるごとに体調や表情にも少しずつ変化が見られ、
「もしかしたら…」とこちらも感じていたほどです。
その後、判定は陽性となり、私たちも一緒に喜びました。
しかし残念ながら、その後しばらくして流産という結果になってしまいました。
その後初めて鍼灸に来院された際、患者さんがこうお話しされました。
「私、不妊治療は初めてから、これまで一度も妊娠したことがなかったんです。
今回、流産という結果にはなってしまったけれど
“妊娠できた”という経験が初めてでした。
鍼灸を続けて通っていたことがよかったのかなと思っています。
それに、通っているうちに心が落ち着いていくのを感じて、それがすごく嬉しかったです。
そのことも、妊娠につながったのかなと思っています」
実はこの方は、以前はポツリポツリと来院されていた時期もありました。
今回は移植に向けて、身体づくりの大切さをお伝えし
定期的な通院をおすすめしていました。
アドバイスをさせていただいた以上、私自身もその言葉の重みを感じながら、
より一層気持ちを引き締めて治療に向き合っていました。
だからこそ、今日いただいた言葉は本当に嬉しいものであると同時に、
「ちゃんと届いていたんだ」と、ほっとするような安堵の気持ちもありました。
「また採卵からのスタートになるけれど、これからも鍼灸に通いたいです。
通っていると気持ちが穏やかになります。
今日もつい、たくさん話してしまいました」
そう笑顔で話される姿がとても印象的でした。
卵管水腫と内膜症、卵管切除、リュープリン治療など、まだ課題は多くありますが、
それでも前を向いて進まれているその姿に、こちらが励まされる思いでした。
これからも鍼灸を通して、少しでも心と身体の支えになれるように。
改めてそう感じた一日でした。